今回のテクニカルニュースの概要
今回ご紹介する事例は、深いコの字の曲げ加工を行う際に金型と板金部品が干渉してしまい、曲げることができない問題を、甘曲げを追加することで金型の干渉を防止でき、加工を実現することができた技術提案事例です。
当社ではこのような曲げ加工に関して、他社でお断りされたという声を多数いただいております。
このようなお困りごとがございましたら、是非ご一読ください!
一般的にプレスブレーキで曲げ加工する際には、曲げ加工に使用する金型によっては特定の板金形状が加工できない場合があります。特に深曲げ(深いコ曲げ)形状は金型の制限が厳しいため、そのままでは曲げることができない場合がございます。
そこで、先に甘曲げを追加すると、グースネック金型が干渉しないようになり、曲げ加工を行うことができようになります。また、グースネック金型での曲げ加工後に、先の甘曲げ部分を押し潰して平らに戻すことで深いコの字の形状にすることができます。
当社ではこのように、他社ではお断りされるような加工に関しても、現場目線で工夫を行い加工方法を模索いたします。
課題:深いコの字曲げの場合、そのままでは金型が干渉してしまい曲げることができない…。
深いコの字曲げの場合、グースネック金型を使うことが一般的です。グーネックス金型は深いコの時曲げを行う際に適した曲げ金型ではありますが、グーネックス金型を使用しても、あまりに深いコの字の場合には板金部品と干渉してしまうことがございます。
グーネックス金型で曲げ加工ができている場合を、動画で紹介します。
金型と曲げる部材が干渉するか否かを確認するために「リターンベンドグラフ」というものがあります。リターンベンドグラフを使用すると、金型が干渉しないかどうかを判別することができます。
このようなリターンベンドグラフを使用し、曲げの設計を行ったとしても下記の図のように明らかに干渉してしまう場合がございます。
このような問題が発生した場合、専用の金型を用意したり、母材を一度半分に切り、曲げた上で溶接したりする方法があります。しかし、このような方法ではコストに見合わない場合が大半です。
筐体設計・製造.COMの対策:甘曲げを行うことで、金型の干渉を回避し深いコの字曲げを実現!
甘曲げを先に追加することで、コの字の内部を広げることができ、グースネック金型と板金部品の干渉を避けることができます。また、グースネック金型での曲げ加工後に、甘曲げ部分を押し潰すことでコの字を実現することができます。
他社では曲げることができないと断れた製品や、特注の金型を用意する必要があると言われた製品について、当社ではこのような工夫だけで曲げ加工を実現することができます。甘曲げを追加するだけですので、特別追加のコストがかかることもございません!
このようにして曲げ加工を行った場合でも、品質、耐久性に問題はございません。本来曲げることができないと判断されてしまう、このような深いコの字の曲げですが、当社では問題なく対応することができます。
他社でお断りされた曲げ加工も一度、岡部工業にご相談ください!
当社は、精密板金筐体の設計から加工、検査まで一貫対応している筐体製作のプロフェッショナルです。そのため、今回の事例のような深いのコの字の曲げ加工はもちろん、深い箱曲げ等、曲げ加工だけでも他社にはない専門的なノウハウを保有しています。
下記に、深い箱曲げの際の曲げ加工方法について解説した技術提案もご紹介させていただきますので、是非こちらも合わせてご覧ください。
>>【深い箱曲げは、延長パンチグリップで美観性向上+コストダウン!】テクニカルニュース vol.49
>>【高いサイドフランジ付きの箱曲げ加工は、延長パンチグリップを2段使用して箱曲げ実現!】テクニカルニュース vol.61
このように、他社でお断りされた曲げ加工も是非一度、岡部工業にご相談ください。また、今回の事例のように他社では専用の金型が必要と言われてしまった場合でも、当社では別の解決策をご提案することで、大幅コストダウンができる可能性もございます。
お悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
筐体設計・製造.COMを運営する岡部工業には、深いコの字を始めとした難しい曲げ加工に対応できるの加工のプロフェッショナルが多数在籍しております。そのため、今回の事例のような場合であっても、お客様の製品の材質や形状を加味した上で、コストを最小限に抑えた最適な曲げ加工方法をご提案させていただきます。
深いコの字の曲げ加工でお断りをされた方は、まずは筐体設計・製造.COMにご相談くださいませ。
筐体設計・製造.comを運営する岡部工業では、お客様への日々のVE提案に加え、生産性の高い機器を積極的に活用することで、お客様のご要望に柔軟に応えて参ります。筐体の設計・製造、あるいは筐体の板金部品加工など、お困りのことがありましたら当社にご相談ください。
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筐体設計・製造.COMでは、設計者・開発技術者様向けに、筐体板金加工に関する技術をまとめた、『技術ハンドブック』を発行しています。技術ハンドブックには、設計・開発段階からのコストダウンや品質向上を実現するための具体的なVA・VE提案を実際の事例に沿った形でイラスト付きで解説をしています。
また技術ハンドブックには、設計時に必要となる筐体板金加工に関する基礎知識や技術資料も掲載しております。技術資料としても、ぜひご活用いただければと思います。