今回のテクニカルニュースの概要


今回ご紹介する事例は、延長パンチグリップでも対応不可な箱曲げ板金部品を、延長パンチグリップを2段活用することで箱曲げを可能にした技術提案事例です。

以前のテクニカルニュースにて、溶接で対応するような底の深い箱の曲げ加工を、延長パンチグリップを用いて深い箱曲げ加工を実現した技術提案事例をご紹介いたしました。

しかし今回は、延長パンチグリップでも干渉を回避することができない、さらに高いサイドフランジがある板金部品の製作が舞い込んできました。

そこで筐体設計・製造.comでは、ベンダーマシーンのメーカーとの相談を繰り返した結果、延長パンチグリップをさらに追加するという結論にたどり着きました。

かなり特殊な技術提案事例になりますが、このような曲げ加工もあるという事例を知っていただければと思います。実際に曲げ加工を行っている様子も撮影しておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

深い箱曲げは、延長パンチグリップで美観性向上+コストダウン!

 

以前のテクニカルニュースにて、溶接で対応するような底の深い箱の曲げ加工を、延長パンチグリップを用いて深い箱曲げ加工を実現した技術提案事例をご紹介いたしました。

 

 

動画はこちらからご覧ください。

 

こちらの箱曲げの技術提案事例をご覧いただいたおかげさまで、箱曲げに関するご相談は多くいただけるようになりました。しかしその中で、さらに難易度の高い板金部品のお問い合わせをいただくことになりました。

 

 

さらに高いサイドフランジがある板金部品が…

 

以前お問い合わせいただいた箱曲げから、さらに高いサイドフランジがある板金部品の製作が舞い込んできました。

ある程度の高さの箱曲げであれば、下記のように延長パンチグリップを用いることでベンダーとの干渉を回避することができます。

しかし、さらにサイドフランジが高い箱曲げになってしまうと、延長パンチグリップを用いたとしてもベンダーに干渉してしまいます。今回ご相談いただいた箱曲げは、延長パンチグリップでは回避することができない高さのサイドフランジがある箱曲げ板金部品でした。

 

以前のテクニカルニュースでもお伝えした通り、無理に箱曲げを行わずに、溶接で箱を組み立てる方法もあります。しかし、溶接すると美観性が損なわれてしまうため、溶接を施すことが難しい部品もあります。また、溶接による箱板金では組立の手間もかかってしまいます。

そのため、なんとか箱曲げで製造できないかということで、試行錯誤いたしました。

 

 

筐体設計・製造.COMの提案:延長パンチグリップを2段使用

 

そこで筐体設計・製造.comでは、ベンダーマシーンのメーカーとの相談を繰り返した結果、延長パンチグリップをさらに追加するという結論にたどり着きました。

実際の見た目は、なかなかインパクトがあります(笑)
ぜひ動画でもご覧ください!

 

延長パンチグリップを用いることで可能な箱曲げから、延長パンチグリップを2段活用することで、さらに高いサイドフランジ付きの箱曲げでも対応できるようになりました。

 

ただし延長パンチグリップを使用する際は、通常の箱曲げ用の金型よりも板厚や材質等の使用条件が狭まるため、実際に使用できるかどうかは箱曲げ加工に精通した方でないと判断することはできません。

また、本来は延長パンチグリップ無しで加工する方が望ましいため、決して精度的に安定した加工方法とは言えません。作業工数的にも、延長パンチグリップを2段取り付ける必要があります。また、延長パンチグリップを使用している際は、延長パンチグリップ無しの曲げ加工をすることはできません。そのため、ある程度の数量が見込める場合のみ、今回のような延長パンチグリップの2段活用が効果的となります。

 

 

まとめ

 

筐体設計・製造.COMには、箱曲げ加工のプロフェッショナルが多数在籍しております。そのため、深い箱曲げ加工であっても、お客様の製品の材質や形状、ロット数などの要素をすべて考慮した上で、通常の箱曲げ用金型か、延長パンチグリップを用いるべきか、側面部分を溶接して仕上げるか、といった選択肢の中から最適な判断を下すことができます。

深い箱曲げ加工でお断りをされた方は、まずは筐体設計・製造.COMにご相談くださいませ。

 

筐体設計・製造.comを運営する岡部工業では、お客様への日々のVE提案に加え、生産性の高い機器を積極的に活用することで、お客様のご要望に柔軟に応えて参ります。筐体の設計・製造、あるいは筐体の板金部品加工など、お困りのことがありましたら当社にご相談くださいませ。

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