今回のテクニカルニュースの概要
今回ご紹介する事例は、剛性がない(ペラペラの)板材の曲げでの変形対策に成功した技術提案事例です。
今回のお客様からは、以下に示す剛性のない(ペラペラな)板材の曲げに苦戦しているとのことでお問合せをいただきました。曲げ前に剛性がない板材を曲げようとすると、剛性がない部分が変形してしまうという大きな課題がありました。
そこで、筐体設計・製造.COMでは、切り欠き部分に支えを設けることで、曲げ前の剛性を確保する方法をお客様にご提案いたしました。板材に支えを設けることで、板材の剛性を向上させ、曲げ中の変形を無くすことに成功しました。
お客様の課題
今回のお客様からは、以下に示す剛性のない(ペラペラな)板材の曲げに苦戦しているとのことでお問合せをいただきました。
以下の図は、お客様の板材の展開図になります。板材の中央部が大きく切り欠きとなっております。
そのため、残った部分がかなり幅が狭くなってしまっております。
↑板材の展開図
こちらの板材の、曲げ箇所としては、以下に示す4か所になります。
↑板材の曲げ箇所
さきほどの、4か所の曲げ箇所を曲げると、以下の図中の曲げ後の図のようになるのですが、曲げの際に大きな問題がありました。
↑板材を曲げた後の図
大きな問題は、以下の図で丸枠で囲ってあります、切り欠きで残っている部分の幅が狭く、板材を曲げる際に荷重を支えきれず、変形してしまうことです。
↑曲げの際に変形してしまう箇所の図
上述のように、今回の事例のような曲げ前に剛性がない(ペラペラの)板材を曲げようとすると、剛性がない部分が変形してしまうという大きな課題がありました。
筐体設計・製造.COMの提案
そこで、筐体設計・製造.COMでは、切り欠き部分に支えを設けることで、曲げ前の剛性を確保する方法をお客様にご提案いたしました。
↑支えの図
支えが、1本から2本に増えることで、板材の剛性が格段に向上します。
さらに、以下の図のように、支えと本体との接続部分にミクロジョイントを設けることで、後で簡単に切り離せるようにしておくこともご提案致しました。
↑ミクロジョイントの図
支えがついた状態で、板材を曲げたのち、ミクロジョイント部分を切り離し、仕上げ処理を行い、完成となります。
↑ミクロジョイント部の切り離し
曲げと、仕上げ処理が完了すると、以下の図のようになります。
↑完成図
以上のように、板材に支えを設けることで、板材の剛性を向上させ、曲げ中の変形を無くすことに成功しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように、筐体設計・製造.comを運営する岡部工業では、お客様への日々の課題解決・VE提案に加え、生産性の高い機器を積極的に活用することで、お客様のご要望に柔軟に応えて参ります。筐体の設計・製造、あるいは筐体の板金部品加工など、お困りのことがありましたらぜひ当社にご相談くださいませ。
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