粉体塗装とは、粉状の塗料を用いて塗装する方法です。粉体塗装は静電塗装といって、塗装する製品を静電気を帯びた状態にして、粉状の塗料を噴霧することで塗料を付着させます。その後、製品を焼付乾燥炉で加熱して塗膜を形成します。
塗装膜厚は1コートで約60μmと、膜厚を厚くできるのが特徴です。膜厚が厚いので防錆力が高く、耐候性等にも優れた塗装ができます。
溶剤塗装に比べて噴霧した塗料が付着する割合(塗着効率)が高く、効率良く塗装ができます。また、有機溶剤を使用していないので、大気汚染等の心配がなく、環境にやさしい塗料とされています。
ただし、溶剤塗料に比較して粉体塗料は最小購入量(MOQ)が大きく、新規の塗装色を準備する場合にも長めの期間が必要になります。
また、使用しなかった塗料を回収し再度塗装に使用できるメリットがあります。ただし回収する設備が大掛かりなこと、回収した塗料に含まれる不純物による塗装不良の発生、別の塗装色に切り替える際の塗料の清掃などの課題があり、塗料の回収、再使用は大量に塗装する場合に限られることが多いようです。