筐体板金を含めた精密板金をメッキする上では、メッキがどのように施されるかをまず知っておく必要があります。メッキをする際には、メッキ液のプールに製品を浸し、そこに電気を流すことで材料表面がメッキされます。その後、メッキ液から製品を引き上げ洗浄、乾燥を行います。
このメッキ工程において、筐体板金の隙間に入り込んだメッキ液が十分に洗浄できていない場合、メッキ液がその隙間に残ってしまいます。このメッキ液が製品として使用している間に染み出てくると、その部分が腐食したり、変色したりする場合があります。従って、つぶし曲げやスポット溶接にメッキする場合には、このような問題が発生しやすくなります。
これへの対策としては、つぶし曲げでは、板と板を密着させるのではなく、板の間に十分な隙間を設けることで問題を回避できます。またスポット溶接の場合は、溶接後の製品にメッキするのではなく、子部品にメッキ加工を施し、メッキ加工した部品同士をスポット溶接することでこのトラブルを未然に防ぐことができます。
このようにメッキひとつとっても設計上あるいは製造上で工夫をすることで不良を回避することが可能です。