アルミは、鋼鉄等と比較して融点が約650度と低く、熱伝導率が高い材料です。そのため、溶接部に加える熱量が大きすぎる場合には母材が溶け落ちてしまいます。一方、熱量が不足していると熱が溶接部以外に逃げてしまうため、溶接部の温度が上がらず、溶かすことができません。
このためアルミ材をTIG溶接する際は、パルス電流と呼ばれる方法を用いて溶接しています。パルス電流では、溶接トーチに加える電流に周期的に強弱がつけられています。パルス電流を用いたTig溶接では、大きな電流を流してアルミを溶かしますが、そのまま熱を加え続けると溶け落ちてしまうので、ほどよく溶けた時に電流を弱くし、加える熱を減らすことで、溶けたアルミ材を冷やして凝固させます。このようにして深い溶け込みを確保しています。
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