溶剤塗装とは?

溶剤塗装とは、板金部品を塗装する際によく使われる塗装方法です。

その名前の通り、顔料を有機溶剤に溶かしてエアースプレー等で板金部品に吹き付け、塗装します。塗装後は揮発成分を飛ばして、塗膜を硬化させるために乾燥炉等で焼き付けます。焼付しないタイプの溶剤塗料もあります。

一般的には液体の塗料とそれを溶かす溶剤が使用されます。溶剤塗装を行うことで、金属部品の表面を保護し、見栄えを良くしたり、耐摩耗性を向上させることができます。

>>溶剤塗装とはなんですか?

 

溶剤塗装のメリット

溶剤塗装のメリットには以下の2点が挙げられます。

①少量の製品にも対応が可能

少量から塗料を購入できるため、お客様の製品数に合わせた塗装を実施することができます。それにより、必要以上の塗料の調達が不要なため、最適なコストでの塗装を実施することが可能です。

②柔軟な納期対応

新しい色を手配する際にも、比較的短い納期で対応できるため、柔軟に納期に対応できる可能性があります。また塗料の調整が比較的な容易なため、柔軟な対応が必要な製品や条件に適しています。

溶剤塗装のデメリット

その一方で、溶剤塗装にはデメリットもあります。デメリットは主に2点です。

①厚い膜厚での塗装は苦手

溶剤塗装の1回の塗装での膜厚は一般的に20μm程度なので、厚い膜厚が必要な屋外向けの板金筐体では粉体塗装が使用されることもあります。

②高い塗装技術を必要とする

デメリットではないかもしれませんが、溶剤塗装は、塗装の膜厚を均一に保つためには作業者の技術力が重要になります。例えば厚く塗るには、一度で塗り切ることが難しいため、一度塗りを行い、焼き付けて乾かしたうえで再度塗装を行います。そのため、その分だけ工数が増加してしまいます。

③環境への配慮

デメリットというよりも注意点になりますが、溶剤塗装では環境への配慮が重要になります。

具体的には、塗料中の溶剤の揮発による環境への影響や作業環境での揮発性有機化合物(VOC)対策が必要になります。作業時の揮発物の管理や排出抑制が求められ、環境負荷や作業者の健康への配慮が重要です。このように、溶剤塗装には優れた特性とともに、環境への配慮が必要な課題も存在します。

 

溶剤塗装と粉体塗装の違い

溶剤塗装と粉体塗装の一番の違いは、その名の通り塗料の形態や塗布方法にあります。溶剤塗装は液体塗料を溶剤で溶かして使用するのに対し、粉体塗装は塗料を粉末状にして塗布し、加熱で溶融固化させる方式になります。

その塗布方法の違いから、膜厚が厚い場合は粉体塗装が適しており、逆に薄い場合は溶剤塗装が適しているというような違いが生まれます。

それぞれの特性に応じて適切な塗装方法を選択することが重要です。

>>粉体塗装のメリット・デメリットとは?製品事例をご紹介!

 

筐体設計・製造.comの溶剤塗装の特徴

 

①お客様の求める製品に合わせた技術提案

筐体設計・製造.comでは、筐体をはじめとした板金部品、製品の塗装を数多く行ってきた実績がございます。そして、設計段階からの提案を得意としておりますので、高い品質での塗装を実現すべく、設計段階からのご提案も数多く行ってきました。

実際に行った溶接に関わる技術提案事例としては下記がございます。是非こちらも合わせてご覧ください。

>>材質変更による塗装品質のトラブル防止

>>洗浄液の排出ルートの設計による塗装品質の向上

また、溶剤塗装と粉体塗装どちらにも対応できる当社だからこそ、お客様の求める製品に合わせて、最適な塗装方法をご提案することができます。

また、実際に筐体・設計製造.comが行った溶剤塗装の様子を動画にしましたので、是非合わせてご覧ください。

 

②クリーンルーム完備の自動コンベア式塗装ラインとバッチ式塗装ブースを完備

筐体設計・製造.comを運営しております岡部工業株式会社では、新たに新工場を立ち上げ、塗装設備を充実させました。クラス10万のクリーンルーム内にコンベア式の連続塗装ラインを導入し、またコンベアラインに収まらない1m以上の板金部品や大型筐体は、バッチ式で塗装を行うことが可能です。

更に前工程として、脱脂効果を高めるために最終工程に純粋を使用することで品質を高め、また塗装後の焼付工程も、2基のバッチ炉とコンベア式山形焼付乾燥炉でワンストップで仕上げることが可能です。

 

筐体設計・製造.comの溶剤塗装による製品事例

ここでは当サイト「筐体設計・製造.com」が実際に行った溶剤塗装の事例をご紹介します。

・大型金庫

大型金庫

この大型製缶板金品は金融業界で活用される金庫です。この金庫には高張力鋼板が使用されているため、引っ張り強度が高く、溶接で発生する熱によってそりが生じてしまいます。このそりを排除するために、あらかじめ溶接を施す箇所に対してC面取りを行っています。

>>詳細はこちら

 

・19インチラック

19インチラック

この大型製缶板金加工品は、4つのサポート、カバー、扉を組み立てした19インチラック(大型筐体)です。大型筐体の足回りにはキャスター、アジャスタープラパートを取り付けており、固定と移動を自由に行うことができます。また、筐体の扉上部にはメインスイッチとLEDを内蔵します。

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二重構造の書類廃棄用ボックス

書類廃棄用ボックス

この二重構造の大型精密板金筐体は、書類などを廃棄するために使われるボックスです。安全性を高めるために二重構造となっており、内部の筐体にはキャスターとレバーを取り付けてあるのでスムーズに移動を行うことができます。

>>詳細はこちら

 

・板金製 多機能テーブル

板金製 多機能テーブル

この板金溶接組み立て品は、オフィス・事務所にて使用される特注の多機能テーブルです。クライアント様からの特注オーダーメイド品となっており、業務用プリンターを足元に設置できる構造です。また、業務用プリンターからの排熱のためにテーブルの足元にはファンを取り付けています。

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>>製品事例一覧を見る

 

溶剤塗装は筐体設計・製造.comにおまかせ!

筐体設計・製造.comでは大型で高精度な筐体板金の設計・製作に特化しています。国内工場では、最新のファイバーレーザーロボット溶接機を導入しており、薄板板金の溶接加工を得意としています。

強みである溶接加工以外にも、曲げ加工や組み立て、塗装をはじめとする設計・製造だけでなく、各工程への知識・ノウハウを生かしたVE提案まで行います。

そのため、加工が簡単でコストを抑えた筐体の製造ができます。
粉体塗装をはじめとする筐体の設計から製造までの一貫対応なら、是非筐体設計・製造.COMにお任せください。

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