静電塗装とは?
静電塗装は、塗料に静電気を帯電させ、対象物に対して静電気の性質を利用して塗装する塗装方法です。帯電した塗料が、静電気の力で物体に引き寄せられる性質を活用し塗装を行います。静電塗装の最大の特徴は、塗料を均一に付着させやすい、つまりは綺麗に塗装をしやすいという点にあります。
また塗料を均一に付着させやすいため、美観性に優れれているだけでなく、塗料の無駄を減らし、効率的な塗装を実現することができます。
静電塗装の仕組み
次に静電塗装の仕組みについて解説します。塗装工程を始まる前に、まずは対象物の洗浄や脱脂などの作業があります。その工程を経たうえで、次の塗装の仕組みで静電塗装は行われます。
①帯電
スプレーガンを使用して塗料に静電気を帯電させます。この帯電により塗料粒子は正または負の電荷を帯びます。
②対象物の接地
塗装対象物は接地(グランド)されており、帯電した塗料粒子は電位差によって引き寄せられます。
※接地(グランド):電気回路や電気機器の電位を大地(地面)の電位と同じにすること、またはその状態のこと。
③塗料粒子の移動
帯電した塗料粒子は、スプレーガンから放出されると、電場の影響を受けて対象物に向かって移動します。
④塗膜の形成
対象物に塗料粒子が均一に付着し、塗膜が形成されます(塗装完了となります)。塗装後は乾燥させる工程を経て、塗装完了となります。
静電塗装と粉体塗装の違い
板金加工における塗装は主に、粉体塗装、溶剤塗装の2種類があります。静電塗装は、このうち粉体塗装、溶剤塗装のどちらにもあてはまる塗装方法になります。
粉体塗装は、言葉通り粉末状の塗料を被塗物に付着させることで塗装を施す方法です。この粉末状の塗料を被塗物に付着させる際、塗料を帯電させ(あるいは塗装対象も同時に帯電させることで)静電気の性質を利用して、塗装を行います。つまり、粉体塗装は静電気の性質を利用しているため、静電塗装の一種と言えます。
次に溶剤塗装ですが、そのまま溶剤を吹きかける場合と、帯電させて行う場合の2パターンがあります。そのまま溶剤を吹きかける場合、ムラなく塗るためには作業者の技術が必要になりますが、帯電を行うことで比較的誰でも綺麗に塗装を行うことができるようになります。
粉末塗装や溶剤塗装についてそれぞれ下記記事でも詳しく解説しておりますので、是非合わせてご覧ください!
>>「粉体塗装のメリット・デメリットとは?製品事例をご紹介!」について詳しくはこちら
>>「溶剤塗装とは?溶剤塗装と粉体塗装の違いもご紹介!」について詳しくはこちら
静電塗装のメリット
上記で紹介したような特徴もメリットを整理しますと、静電塗装のメリットは下記の通りです。
①高い効率性
静電塗装は塗料の塗着効率が高く、塗料の無駄が少ないです。
②均一な仕上がり
帯電した塗料粒子が均一に付着するため、塗膜の厚さが均一になり、美しい仕上がりが得られます。
③環境に優しい
塗料の飛散が少なく、VOC(揮発性有機化合物)の排出が抑えられるため、環境負荷が低いです。
④コスト削減
塗料の無駄が少ないため、長期的にはコスト削減が期待できます。
筐体設計・製造.comの静電塗装の特徴
①お客様の求める製品に合わせた技術提案
筐体設計・製造.comでは、筐体をはじめとした板金部品、製品の塗装を数多く行ってきた実績がございます。そして、設計段階からの提案を得意としておりますので、高い品質での塗装を実現し、また目的に合わせた塗装の実現をするためのご提案も数多く行ってきました。
実際に行った溶接に関わる技術提案事例としては下記がございます。是非こちらも合わせてご覧ください。
②クリーンルーム完備の自動コンベア式塗装ラインとバッチ式塗装ブースを完備
筐体設計・製造.comを運営しております岡部工業株式会社では、新たに新工場を立ち上げ、塗装設備を充実させました。クラス10万のクリーンルーム内にコンベア式の連続塗装ラインを導入し、またコンベアラインに収まらない1m以上の板金部品や大型筐体は、バッチ式で塗装を行うことが可能です。
更に前工程として、脱脂効果を高めるために最終工程に純水を使用することで品質を高め、また塗装後の焼付工程も、2基のバッチ炉とコンベア式山形焼付乾燥炉でワンストップで仕上げることが可能です。
筐体設計・製造.comの静電塗装による製品事例
ここでは当サイト「筐体設計・製造.com」が実際に行った静電塗装の事例をご紹介します。
・クリーンパーティション
こちらは、超薄型パーティションタイプの業務用空気清浄機「クリーンパーティション」です。気流により、クリーン仕様と汚染除去仕様の2種類のラインナップがございます。室内清浄度の向上、作業台に設置しクリーンベンチとして・・・
静電塗装は筐体設計・製造.comにおまかせ!
筐体設計・製造.comでは大型で高精度な筐体板金の設計・製作に特化しています。国内工場では、最新のファイバーレーザーロボット溶接機を導入しており、薄板板金の溶接加工を得意としています。
強みである溶接加工以外にも、曲げ加工や組み立て、塗装をはじめとする設計・製造だけでなく、各工程への知識・ノウハウを生かしたVE提案まで行います。
そのため、加工が簡単でコストを抑えた筐体の製造ができます。
粉体塗装をはじめとする筐体の設計から製造までの一貫対応なら、是非筐体設計・製造.COMにお任せください。