SPCCとは、英語で”Steel Plate Cold Commercial”と言われる冷間圧延鋼板の略語です。最も一般的な冷間圧延鋼板で、普通鋼とも呼ばれる極低炭素の鋼材です。SPCCは、熱間圧延軟鋼板を常温状態において冷間圧延することで製造されます。常温で圧延している冷間圧延によって製作されるため、表面は研磨無しの状態でも光沢がある滑らかな状態になります。そのためSPCCは、「みがき材」、または「圧延材」「コールド」とも呼ばれます。

SPCCの大きな特徴は、加工の容易性です。SPCCは極低炭素の鋼材であるため、熱間圧延鋼板と比較して高い伸び性を持ち、加工や成形が非常に容易に行うことができます。また、SUS系の材料と比較すると安価であるため、SPCCは非常に扱いやすい材料です。これらの特徴から、市場流通量も多い鋼板として知られています。

一方、SPCCは錆に弱いため、加工後の塗装やメッキ処理が必要な材料であるというデメリットもあります。SPCCは酸化被膜が落とされているため、保管状態が悪いとすぐに錆びてしまいます。そのため、SPCCは基本的に加工後の塗装やメッキ処理が必須となります。

塗装やメッキ処理が必要ではありますが、その容易な加工性や高精度に加工できる点から、自動車や機械部品、建材など、様々な場所に使用されています。