IPとはIngress Protection(侵入に対する保護)の頭文字を取ったもので、防塵・防水に対する保護を表します。”IP55″ や “IP65” のように求められる仕様に応じてその表示等級が変わっており、かつ、その仕様を満たしているのかを確認する試験を実施・合格しなければなりません。特に、屋外盤・屋外設置されるキャビネットなどの防水仕様筐体に適用されます。
IP規格はIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格、IEC144、IEC529およびDIN(Deutsche Industrie Normen:ドイツ工業規格)のDIN40 050によって規定されており、防塵・防水性によってその等級が分類されています。また、その分類によって試験方法も定められています。国際的にもIP規格は標準化されており、日本でも日本工業規格(JIS)および社団法人・日本電機工業会(JEM)が上記のIEC529に準拠してIP表を規格化しています。
例えば、IP55の場合では「粉塵からの保護」および「いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない」こととなり、『3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水を3分間』という試験をクリアしなければなりません。
筐体内部への粉塵や水滴の侵入が許されないIP規格対応の『防水筐体』を製作するには、上記のような試験を実施する設備はもちろん、その仕様を満たす板金設計を行う必要があります。