今回ご紹介する事例は、大きなR形状箇所を連続溶接から断続溶接に変更することで、大幅に工数を削減したVE提案事例です。
お客様からは、板金筐体の一部の部品において、やや大きめのR形状の溶接をご依頼いただいておりました。しかし、R形状部分を全て溶接する連続溶接の場合は、溶接自体に工数がかかってしまうだけでなく、正しい形状に修正するためにも工数が必要となってしまいます。
そこで当社では、お客様とご相談の上で、R形状部分を連続溶接から断続溶接に変更することをご提案いたしました。断続溶接にすることで、溶接自体の工数も仕上げ工数も削減することができます。
ただし断続溶接は、工数削減によってコストダウンをしたい場合、かつ気密性が必要でない場合で使用することができる加工方法のため、当社ではお客様のご要望に合わせて最適な溶接方法をご提案しております。
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お客様からは、板金筐体の一部の部品において、下写真のようなやや大きめのR形状の溶接をご依頼いただいておりました。
(溶接前の写真、部品が分かれている様子)
しかし、このようなR形状部分を全て溶接する連続溶接の場合は、R部分全てを溶接するため、溶接長が長くなる分だけ工数もかかってしまいます。
また溶接長が長くなると、部品に加わる熱量も増えてしまうため、溶接ひずみが大きくなってしまいます。そのため、溶接自体に工数がかかってしまうだけでなく、正しい形状に修正するためにも工数が必要となってしまいます。
そこで当社では、お客様とご相談の上で、R形状部分を連続溶接から断続溶接に変更することをご提案いたしました。
(裏側からの写真:中央部分のみ溶接をした断続溶接)
本来であればR形状部分を全て溶接しますが、上写真のように一部だけ溶接する断続溶接にして、継ぎ目部分をR仕上げすることで、連続溶接した場合と同じ見た目の形状に加工することができます。
(溶接して仕上げた後の様子)
断続溶接にすることで、溶接する箇所は一部分のみとなるため、溶接自体の工数が大幅に削減することができます。また断続溶接にすることで、部品への入熱が少なくなり、溶接ひずみが少なくなるため、溶接後の修正工程が不要になります。このように断続溶接にすることで、溶接自体の工数も仕上げ工数も削減することができます。
ただし断続溶接の場合は、気密性は乏しくなる点が注意点としてあげられます。溶接されていない箇所はR仕上げがされていますが、よく見てみると隙間を確認することができます。多くの筐体製品は最終的に塗装を行うので、目立った隙間はなくすことができます。しかし防水規格が厳しい場合等は、今回の断続溶接を使用することはできません。そのため断続溶接は、工数削減によってコストダウンをしたい場合、かつ気密性が必要でない場合で使用することができる加工方法と言えます。
気密性が必要な大型精密筐体の多くは、R形状を伴わないことがほとんどです。これは溶接による歪みの発生を考慮した上での筐体設計となっているためです。
当社では、R形状を含んだ筐体設計から、気密性や防水規格に合わせた筐体設計まで、幅広い精密筐体・大型筐体の設計から製造まで一貫対応しております。お客様の中には、デザインや機能のみにこだわっており、生産も考慮した筐体設計が行われていないケースがほとんどです。しかし、当社のような筐体設計から対応可能なメーカーに仕様段階からお任せいただけましたら、お客様のご要望に沿った最適な筐体設計のご提案をいたします。
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このように、筐体設計・製造.COMを運営する岡部工業では、お客様への日々のVE提案に加え、生産性の高い機器を積極的に活用することで、お客様のご要望に柔軟に応えて参ります。筐体の設計・製造、あるいは筐体の板金部品加工など、お困りのことがありましたら当社にお声掛け下さい。